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2011年01月

05日

Ai in Paris

パソコンの画面に藍。大きく藍。藍の奥、白い壁には絵がかかっていて窓、ランプ、本棚、ベッドの上の赤いクッション。藍は白い服で、色とりどりのスカーフをまいていた。藍がいつもしているそのスカーフは、いつも違う色に見えた。その時は、えんじか緑か青に見えた。

その絵はなあに?と、前にも聞いたから笑ったのだ。画面からでは、白に黒い線が引かれていることしかわからず、藍は前にもカメラをその絵に近づけて見せてくれようとしたが、線が足りなくてうまくいかずに笑っただけだった。

なんの本?とは聞かなかった。前に聞いた時は、前の住人が置いていったのだと教えてくれた。なんの本だったかは、聞いた気がして、忘れてしまった。ランプだ。

髪をのばしたいなあと、また思う。髪をのばしたいなあと、また短く切った後ろ髪を四六時中触りながら、よく思う。前には、垂らして顔のまわりを覆っていた、藍の分厚くて長い髪の毛は、後ろにゆるく束ねられていた。

そのチーク、そっちで流行っているメイクなのか、と前に聞いた時は、メイク?してないけど、と言っていたが、やっぱりメイクをしているように、その時もチークに。痩せたのか?太ったのか?代わりにワタシは、いいなあ、と言った。へえ?と、藍は言った。

さっきから藍は口を動かしている。なに食べてるの?これ?ガム。

ねえ、ちょっと立って。後ろ行って。その窓のところで。ひとまわりしてみて。

藍は、寒いんだよねえ、と言って、ゆっくりと立ち上がる。それまで見えていなかった膝掛けが、机の下からごっそり現れて、膝掛けがそのままドサッと落ちた。藍は、落ちた膝掛けには目をやらず、そのまま後ろに行って、その窓のところで、ゆっくりひとまわりした。のだったか。ワタシは、膝掛けのところを見ていた。

白い袖がふわりとして、色とりどりのスカーフは画面いっぱいになって、再び、大きく藍になると、さっきまで白かった窓に、暗くぼんやりと建物のようなものが現れた。

あのねえ、そっちのガムってそんなに大きいの?や、これを、全部、口に入れた。と画面に映った、グリーンの箱。藍が口をあけると、口いっぱいのグリーンは、にょおと飛び出て、宙返りし、こちらを向いて、あっかんべーとやったあと、引っ込んだ。口寂しいからね、と藍は言った。

日本人がいっぱいで。外国人がいっぱいで。外国人の研修制度ばっかりで。うん。それで事足りちゃうから。地元の人の雇用が減って。そう。地元の人の雇用を増やすために。それで、法律が、変わったんだって。くちゃくちゃ。30歳までにまた溜めなくちゃ。そっちで。ワーホリ使いたいから。そうか、ワタシ、そうだ、今年30歳。

おせちはつくったの?と、藍が聞いた。なーんにもしてない。と信子が答えると、ええええええ!と目を丸くした。たーくさんつくった。と信子が答えても、ええええええ!と、まったく同じ調子で目を丸くした。

藍は、それじゃ、と言うと、さようなら、気をつけて、良いお年に、バイバイ、またね、次は、と手を振ったりしている間に、あるいはそうする間もなく、またブチッと切りました。クリスマスカードは、まだ届いていないみたいだった。

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