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2012年09月

03日

Dream Journal 1

大きな男の膝がカクンと折れたので、反射的に腕を差し出すと、男は青白い顔をして全ての力をワタシに預けて、ワタシはよろけた。男が「もうだめだ」と呟いて、ワタシの心臓は、びくんとなった。それは知らない男だったが、ワタシは「ああ、やっぱりな」と思った。男を両腕で支えながら顔をあげると、周りの人々はそれに気がついていない。いや、気がついていないのではない。明らかに彼らにこれは見えていてるが、見えているのに、見えていながら誰もなんの反応も示さないのだった。二秒ほど静止した。男が倒れたが。

「え?ちょっと!!!」と、彼らに向かってワタシは叫んだ。その声でこちらに注目する彼らの顔は、さっぱりきょとんとしている。ワタシの体はどんどん熱くなっていった。「ちょっとすいません!」ワタシはぐったりしている大きな男を引きずりながら、突っ立っている彼らの合間を進む。彼らはなかなか退けないし、大きな男は重かった。どん!と誰かにぶつかって、その誰かが「いてーな」と言った。男の声だった。

キヨスクの奥の壁に、赤い電話がかかっているのが見えたので、ワタシは近づいて「救急車を呼んでもらえますか」と、キヨスクの女の人に言う。キヨスクの女は、ワタシとぐったりした男を見て会釈した。女は電話には行かず、並んでいる客の対応をはじめた。「すいませんけど、急いでるんですが、はやく!」女は客の対応をしながら、再びこちらを向いて、何も言わない。奥から別の女が出てきて、キヨスクの女とコソコソと話した。それから2人並んで黙ってこちらを見ている。「救急車!!」奥から出てきた女が、ようやく壁の電話の受話器を上げた。

キヨスクから少し離れたスペースに座り、男を膝に寝かせて顔に手をあてた。「大丈夫?」穏やかな男の顔は青白く冷たく汗をかいている。「もう少しで来るから。もうちょっとだから。」男は目をつぶったまま頷いた。「どこか痛い?」男はめをつぶったまま首を横に振った。忙しなく行き交う人々は、もうこちらを見向きもしない。「あんなやつら、消えてしまえばいいよね。」とワタシは言った。「まあまあまあ。」と男は目をつぶったまま言った。本当に少しずつ、人々は消えていった。子どもが2人、追いかけっこをしながら目の前を横切ると、辺りには誰もいなくなった。

「うそでした!」倒れた男が、突然声をあげて、立ち上がる。「え、ちょっとやめてよ、うそなの!?」ワタシも立ち上がる。うそなの?なにが?どれが?あなたが?「うそなのがうそ!」と、男はまた倒れた。キヨスクの前はまた人だかりが出来ている。何人もの機動隊が、キヨスクの女と、もう1人の女と、話をしている。話は聞こえない。キヨスクの女がこちらを向いた。もう1人の女がワタシを指差した。1人の機動隊が、周りの人々を棒で倒しながら、ワタシの方に向かってきた。男を見る。男はいない。

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